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強大化した北朝鮮の核の脅威
―― 平壌の核ドクトリンと韓国、東アジア

スー・ミ・テリー ウィルソンセンター アジアプログラム・ディレクター

North Korea Raises the Nuclear Stakes: The Kim Regime’s Dangerous New Capabilities and Doctrine

Sue Mi Terry ウィルソン・センター・アジアプログラム及び現代自動車韓国財団韓国史・公共政策センター長。元CIA分析官で、2009年から2010年まで米国家情報会議、2008年から2009年まで米国家安全保障会議に勤務した。

2022年12月号掲載論文

金正恩は、2022年9月に、核の「先制使用」ドクトリンを公表した。核兵器で米本土を脅かす力をもっているだけではない。北朝鮮の核は、北東アジアで軍拡競争を引き起こす危険がある。金正恩が突きつける脅威ゆえに、これまであり得ないと考えられていた核保有を求める韓国民衆の声は大きくなっている。だが、この流れが形成されれば、韓国が核開発を試みる前に、北朝鮮が韓国を攻撃するリスクは高くなる。日本も核武装に向かうかもしれない。問題は、北朝鮮の脅威が増大するなか、トランプ政権以降のアメリカの安全保障コミットメントが、かつてほど手堅くはないようにみえることだ。実際、北朝鮮の核攻撃によるアメリカの脆弱性が高まるなか、東アジアの同盟国がアメリカの「核の傘」に依存し続けられるかどうか、はっきりしない状況にある。

  • 北朝鮮の脅威は新局面へ
  • 核の先制使用ドクトリン
  • 不安定化する核の傘
  • 韓国を安心させる政策を

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